北海道 東大雪南部末端 東ヌプカウシヌプリ (1252.2m) 2010年6月27日

概要
 白樺峠からまともな登山道がある山で、標高差も少なく初心者向け。峠近くのみ樹林が開け笹が繁茂して登山道にはみ出しているが、すぐに樹林帯に入って体に触れる笹は消える。稜線まで針葉樹林が続き、途中の苔むした岩が重なった場所では岩の隙間から冷たい空気が噴出している。山頂は樹林に覆われるが十勝平野方面が伐採され展望がいい。

所要時間 6:17 白樺峠−−7:11 東ヌプカウシヌプリ 7:17−−7:55 白樺峠

 カムエク日帰りから下山し、翌日の山を地図やガイドブックで物色した。今日の山行であらかた体力は使ってしまったため、明日は楽な山しか登れない。千歳に帰ることを考えると千歳から離れる方向の山はちょっと・・・であり、十勝平野周辺で登り残しを探してみた。帰り道から少し遠回りになるが然別湖近くの東ヌプカウシヌプリが登山道があり、白樺峠から山頂まで標高差350mで登れるので適当だろう。涼しさを求めるには標高不足だが仕方ない。

 中札内で買い物を済ませ北上、カーナビ任せで白樺峠に到着。路肩が広くて注射しても迷惑にならないが、こう開けた場所では行き交う車の騒音で安眠できそうになく、然別湖方面に下って脇道を発見し、路肩に止めて一夜を過ごした。

 翌朝、朝飯を食って峠に戻り、着替えて出発だ。天候は薄曇で気温は朝から高めで一汗どころではないかもしれない。濡れタオルを首にかけ、手には100円ショップで購入した扇子。虫の襲来は確実だろうから出発前に手足、首にスプレーしておく。

白樺峠。路肩が広く結構な台数が駐車可能 東ヌプカウシヌプリ登山口
最初は笹原の登山道 笹が開花していた

 登山口にはでかい標識が立っており、入山届けのボックスもあったので記入してから歩きだす。最初は開けた笹原で、日当たりがいいせいか笹がはみ出している。今の時間帯は朝露で濡れており、このままではズボンや靴下がびしょ濡れになるのでロングスパッツ装着。さて、山頂までこんな具合じゃないだろうなぁ。珍しくも笹の花が咲いており来年は笹が枯れるだろうが、一帯全部で花をつけているわけではなく大勢に影響はないかもしれない

樹林帯に突入。笹がほぼ消える 針葉樹林が続く

 緩やかに登るとすぐに樹林帯に突入し、はびこっていた笹が消えた。よかったぁ。北海道の山はどこも笹の斜面かと思ったが、ここは針葉樹林になってからは苔むした地面が続き、登山道が無くても歩けそうだった。樹林で薄日が遮られいくぶん涼しくなった。

この辺りが岩の積み重なり 岩の隙間から冷気が吹き出て天然クーラー

 途中、苔生した岩が積み重なった斜面が出てくると体感できるほど気温が下がった。どうしたのかと思ったら岩の隙間に氷が残っていて、そこから冷たい空気が流れ出していた。これがまた気持ちいいこと! 天然の冷蔵庫のようだった。ここだけは扇子は不要だったが、他の場所では大活躍した。

稜線が近づくと広葉樹が目立ってくる 立ったハイマツも
稜線から見た西ヌプカウシヌプリ 稜線から見たウペペサンケ山
稜線から見た十勝連峰

 樹林帯の道は良く踏まれ1級の登山道が続いた。やがて傾斜が緩んで稜線に近づくと針葉樹林から広葉樹林に切り替わってくる。立ったハイマツも見られるようになる。今までの深い樹林からいくぶん木の隙間が増えてきて、振り返ると北側の山が見える箇所があった。残雪の山を望むことができたが現場の勘では十勝連峰のどこかではないかと思ったが、帰ってからカシミールで「写真判定」したところ、十勝岳から美瑛富士にかけての山並みだった。

まもなく山頂 東ヌプカウシヌプリ山頂

 なだらかな稜線が意外に長く続き、最後はダケカンバの樹林となる。最後は開けた広場が登場し、中央に山頂標柱が立った東ヌプカウシヌプリ山頂に到着した。

東ヌプカウシヌプリから見下ろした十勝平野 南側から見た山頂

 周囲は背の高いダケカンバの樹林帯だが、南側は伐採したようで十勝平野が見通せるようになっていた。ただ今日は空気の透明度が悪く日高の山々はほとんど見ることができなかった。残念。条件が良ければカムエクも見えるだろうに。北側は樹林で見ることができないが、伐採された南の尾根上に踏跡が続いており、どこまで下っているのかは不明だった。

 思ったよりも昨日の疲労は感じられず、意外に楽に登れてしまった。気分的にはもう1山くらい登れそうだったが、この気温ではこれから登るのは大汗をかかされそうだ。あまり欲張らずに早めに帰って体を休め、明日の仕事に備えることにしよう。

白樺峠に戻る 白樺峠から見た東ヌプカウシヌプリ

 下山は数人とすれ違った。手軽に登れる山だけあって地元ではメジャーな山なのだろう。もちろん、わざわざ東京から登りに来る人は滅多にいないだろうが。峠に戻ると4,5人パーティが出発準備中。こちらは入山届けに下山の記入をし、荷物を整理して下界に向かった。

 

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